- 通訳ガイド
なぜフランス人は日本好き?
Tonton Nobuオーナーのノブこと關野(せきの)です。
インバウンド需要が回復し、とりわけ、夏はバカンスシーズンということもあり、フランスのお客様でにぎわいます。当宿も7-8月はフランス人ご家族で予約が埋まります。
葛飾北斎の画集『北斎漫画』をフランスの画家が目にしたことから始まった日本ブーム。浮世絵はモネやゴッホといった画家たちの色彩感覚にも強く影響を与え、日本趣味というジャポネズリ(japonaiserie)という新しいフランス語まで生まれることになりました。
もともと遠い東洋に対するあこがれ的なものが土壌としてあったフランスですが、このブームに大きな拍車をかけることになったのが日本のアニメ番組。
とりわけ、人気子ども番組『Recre A2』で1978年に放送されたGoldorakこと『UFOロボ グレンダイザー』は平均視聴率75%をたたき出し、社会現象となりました。白百合女子大学のトリスタン・ブルネさんは、その著書『 水曜日のアニメが待ち遠しい:フランス人から見た日本サブカルチャーの魅力を解き明かす』の中で、このロボットアニメが子どもたちに熱狂した理由として、主人公の人種・国籍が不明であり違和感がなかったこと、悪役も人間らしく葛藤しているという現実の大人の世界を描いたことを挙げています。また、テレビ局側にとっても、アメリカのアニメに比べ当時は日本のアニメ放映料が格安であったことも大きな利点だったようです。
これらの日本アニメを見て育った世代を中心に、日本へのあこがれは育っていきました。
現在ではHikomoriなど日仏に共通してみられるような社会現象も新しいフランス語で定着してきました。
次回は、そんなフランス人のお客様から頼まれたお土産についてです。