- ゲストハウス
当宿は民泊ではありません
オーバーツーリズムが深刻な問題となっている京都。コロナ禍で消滅した違法民泊が、また復活しているようです。
民泊はホテルや旅館等と異なり、保健所から許可を得るのではなく、届出制となっています。また、ホテル・旅館等が開業できる地域が厳しく制限されているのに対し、営業日数の制限はあるものの住居専用地域でも営業できるため、空き家の有効活用が見込まれます。その一方、騒音やゴミの放置など、近隣とのトラブルが多いのも民泊です。民泊は住民の空き部屋を借りたり、農家に滞在することで得難い経験を旅行者に提供してくれますが、まったく届け出ることなく、マンションの一室の又貸しなどで民泊をはじめる違法事業者もいます。
当宿はホテルや旅館と同様、保健所の許可が必要な簡易宿所です。開業前は民泊問題が深刻で、物件を購入した際にすぐに町内会長さんから民泊を営まないように連絡があったほどでした。京都では民泊は負のイメージが強すぎるため、民泊と呼ばれると悲しい気持ちになります。
民泊と簡易宿所の大きな違いのひとつは施設内にフロントがあるかどうか、です。簡易宿所はホテルや旅館ほど制限は厳しくはありませんが、フロントでの対面チェックインが義務付けられており、毎年、検査があります。これに対し、民泊はオーナーと旅行者が会うことのないセルフチェックインが可能です。インバウンドによる住民トラブルが急増していた京都市は、条例を改正しすべての宿泊施設に対面チェックインを義務付けました。しかし、市の指導に従いセルフチェックインをしていない民泊は民泊予約サイトでの評価が低くなり、真面目にルールを守っている方ほど損をする状況も生まれています。
当宿は町内会と協定を結んでおり、私やお客様が近隣の方に迷惑行為を行った場合には閉店することになっていますので、パーティーや夜間の騒音、たばこのポイ捨てを固く禁じています。
また、お泊りいただいた方にはこの地域のことも知っていただきたいという思いから、対面でのチェックイン時に、町内会のご協力のもと近隣のお店マップを配布させていただいております。地域社会といかに軋轢をもたらさずに観光産業を育成していくのかは、私にとってのライフワークでもあるからです。
通常の京都市内ガイドは有料ですが、宿近隣のお店や名所のご案内は無料で行っておりますので、ぜひご活用ください。