• 宮古島

パーントゥ

パーントゥ

 クルーズ船入港により外国人観光客が増え、宮古島場バブルと呼ばれるリゾートホテル建設ラッシュによる不動産価格急騰が起きている宮古島。京都のようなオーバーツーリズムまではいかないまでも、コロナ禍では市長が「島に来ないで」と来島中止を呼び掛けるなど外部からの影響に対し脆弱な島でもあります。
 宮古島の北、マングローブ林が広がる島尻地区。この集落では毎年旧暦の9月に仮面をつけた神パーントゥが集落を練り歩き厄を払う伝統的行事が行われています。パーントゥは全身に泥を塗っており、新築の家や赤ちゃんなどを中心に泥を塗りたくります。これを見に来た観光客が行事の意味を理解せずパーントゥに暴行する事件も起きたため、現在は正確な日付は公開されていません。しかしながら、市の総合博物館ではパーントゥの仮面が展示され、映像でかつての様子をうかがうことができます。
 京都ではとりわけ地域に対するリスペクトに欠けた外国人観光客の行動が問題になりますが、日本人であれ外国人であれ観光客はときに地域に厄をもたらしかねない存在でもあります。地域とどう向かい合っていくべきか、私たち観光事業者にとって根源的な課題です。

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